IoT/AI

音響(超音波)センサーを活用した音響診断AI化支援

コンサルティング

概要

工場のIoT化が進む昨今では、生産設備等の保全コスト削減やダウンタイム回避を目的に、各種センサーにより、生産設備の状態をリアルタイムで監視する状態管理への移行が進められています。とくに生産設備などで使われる回転機器のベアリングの摩耗や損傷などの異常検知は、振動センサー等を活用した状態監視が主流ですが、ベアリングの初期劣化等は、超音波領域での異常検知が求められるため、一般的な振動センサーでは初期の異常を検知できない可能性があります。
このような状況を踏まえ、弊社では、日清紡マイクロデバイス株式会社において新たに開発された、「MEMSセンサー*1技術を応用し、可聴音から超音波まで検出することができ、また、聴診的に機器の音響を収録可能な新型音響センサー “アコースティックセンサー” *2」を活用した音響診断AI化支援コンサルティング*3を提供しています。

従来の振動センサーでは感度を有しない超音波領域をモニタリングすることで、より早い故障予兆の検知が可能となります。

 

*1)MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサー:
    半導体素子の微細加工技術を応用・発展させ、シリコン基板上にセンサーを回路や可動機構などと一体化して量産する技術を活用したセンサー。

*2)アコースティックセンサー:周囲雑音耐性が強く、広い周波帯域のデータを取得できる防水接触型センサー

    https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/ja/about/info/njr/2021/semi_20210205-acoustic-sensor.html

*3)本サービスは、日清紡マイクロデバイス株式会社の「防水接触型アコースティックセンサー」および株式会社アニモの音響分析クラウドサービス

  「ANIMO Cloud - Wave Analyzer」、生産設備/稼働監視ソリューション「AnimoWaveBase」を利用して提供されます。

サービス内容

生産設備やユーティリティ設備の稼働監視は、振動(加速度)センサーを用いて設備の異常を検知することが一般的ですが、このコンサルティングでは、広い周波数帯域の異常を検知可能な音響(超音波)センサー「アコースティックセンサー」を活用し、音響診断AI化支援により、人の聴覚に依存しない 設備の稼働監視の構築をサポートします。
なお、設備の稼働監視以外にも、構造物の点検や完成品の検査等の点検・検査業務の効率化等に応用可能です。

特長

● 可聴音から超音波までの広い帯域でのモニタリングにより、早期異常検知が可能

モーターやポンプ等の回転機器の軸受においては、ベアリングの初期劣化段階に超音波帯域で異常信号が生じることが知られています。可聴音から超音波の帯域で発生する異常な音を計測できるアコースティックセンサーを活用したモニタリングにより、これらの異常を早期に発見することで、突発的な生産ラインの停止を防ぐとともに計画的な予防保全を支援します。

● 設備・機器への接触設置により、騒音環境下においても優れた遮音性を実現

音響センサーによるモニタリングにおいては、周辺機器の稼働音等による影響を最小限に抑える工夫や計測音のノイズキャンセリング対策が必要となります。このアコースティックセンサーは、機器自体に直接接触設置して、センサー集音部の周りを遮蔽することで、騒音環境下においても優れた遮音性を実現します。

そのため、従来、一般的な音響センサーではモニタリングできなかった環境下においても、利用することが可能です。

 

アコースティックセンサーの概要

<資料提供>日清紡マイクロデバイス株式会社

実証実験(ベアリング劣化の加速試験)

●実験方法

 

モーター軸受内のグリスを抜き、ベアリングが摩耗する過程の動作音をアコースティックセンサーで測定

● 実験結果

 

 ・正常状態では、超音波帯域(20kHz超)に信号は認められない

 ・計測開始10分経過以降に超音波帯域(45kHz辺り)において軽微な信号の発生を確認

 ・計測開始60分経過以降に可聴域において異常信号(異常音)の発生を確認

 ・ほぼ同時に超音波帯域の信号(異常音)が強くなることを確認

 

<スペクトログラム>

<資料提供>日清紡マイクロデバイス株式会社

活用例

可聴音から超音波の帯域で発生する異常な音を計測できる「防水接触型アコースティックセンサー」を活用することで、一般的な振動や音響センサーでは計測が難しかった異常検知による設備の稼働監視の構築が可能となります。

 

【異常検知(例)】

 ・ベアリングの初期劣化(はく離等)検知

 ・ベアリングのショックパルス(軽微な異常)検知

 ・ファン・ポンプの回転ブレードの異常検知

 ・ポンプのキャビテーション検知

 ・配管、バルブ等のリーク検知

 ・その他、騒音環境下における異常音の検知 など

<参考>音響診断AI化コンサルティングの概要

音響診断AI化コンサルティングは、音(音響)データを収録して、その音響特徴量を分析、可視化することで、人の聴覚に依存しない、異音検知や設備予兆保全、検査業務の省人化等を可能にするサービスです。
詳細は、以下のWebサイトをご参照ください
https://www.sompo-rc.co.jp/services/view/336

パンフレット

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