企業リスク情報誌『SAFETY EYE』

No.14(2003年10月発行)化学物質とリスクコミュニケーション

火災・爆発

最近、化学物質に係わる法規制や自主的取組が強化されてきています。特に「PRTR法」の 施行に伴う化学物質排出量の把握や地域とのコミュニケーション問題、EUの「RoHS指令」の発効に伴う有害化学物質の把握測定、管理強化等、化学物質を取り扱うあらゆる業種の企業 が、この対応に追われています。
今後、「REACH指令」等EUにおける規制強化とともに国内 でも強化され対応が複雑になっていくと考えられます。 本号では、化学物質問題をどう捉えたら良いか、その根幹を見つめ、法規制の動向、今後の課題 そして化学物質とリスクコミュニケーションについて、執筆いただきました。
化学物質を取り扱うあらゆる企業(業種)の皆様が、原材料の選択、化学物質の使用・開発に 際して、地域・顧客・消費者とのコミュニケーションに際して、有効であると考えております。

I章 化学物質のリスク評価と対策の関係の最新動向(徳島大学総合科学部教授 関澤 純)
1. 化学物質対策の変遷
2. 化学物質対策と安全評価の考え方の変遷
3. 最近の新たな問題
4. 化学物質リスクマネジメントをめぐる21世紀の課題

II章 規制的な手段から自主的対応へ―事業者の立場から―(協和発酵工業 環境安全室長 長島 実) 
1. 予防方針と規制的手段の限界
2. 欧米の化学物質保安対応と自主的管理側面
3. 化学物質規制の経緯
4. 化学物質マネジメント行政への期待
5. PRTR情報の開示
6. レスポンシブル・ケア協会活動と化学物質安全情報整備
7. 化学物質リスクマネジメントと消費者課題
8. 消費者とのリスクコミュニケーション
9. リスクコミュニケーション事例研究
III章 環境リスクをめぐるコミュニケーションの現状と課題(早稲田大学理工学部教授 村山 武彦)
1. はじめに
2. リスクコミュニケーションを取り巻く状況
3. 事例を通じた現状と課題の検討
4. 埼玉県川越市における試み
5. 今後コミュニケーションに求められる要件
6. おわりに

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