
実際にご利用いただいている方々@株式会社MCエバテック 尼崎分析センター
職場で働く人を熱中症から守ろうと、「熱中症のおそれがある人を早く見つけて適切な対策を」という取り組みが進められています。
熱中症リスクが企業経営の大きな課題とされるなか、環境測定分析を手掛ける「株式会社MCエバテック(関西熱化学グループ)」では、作業者の体調変化をリアルタイムに把握して熱中症リスクを管理する「労務・熱中症管理サービス“みまもりふくろう*”(以下、本サービス)」を導入しています。
同社において、本サービスを導入した経緯や熱中症対策の取り組み状況等をご紹介します。
*みまもりふくろう:
リストバンド型デバイスにより、作業者の脈拍や位置情報をリアルタイムに計測し、労務管理をサポートするウェアラブルIoTサービス

株式会社MCエバテック
環境測定・分析に強みをもち、土壌、大気、水質など幅広い環境分野での分析サービスを提供。長年培った信頼性の高い測定と分析技術で、産業と環境の調和に貢献する企業として事業を展開。
“お客さま訪問のため事務所から見えなくなる技術者”
本サービス導入前の熱中症予防への取り組み状況や課題についてお聞かせください。
(加賀さん)
朝ミーティングでの体調確認、適度な休憩をとることの推奨、熱中症対策飲料や飴の支給、WBGT計を用いたお客さま環境でのリスクチェックなどの対策をとってきました。
しかし、お客さま訪問のために社外に出てしまうと、個々人の体調変化の把握が難しくなり、お客さまの事業所での作業時は自分の体調変化を気にするよりも作業に集中するという状況になり、体調変化の報告が後回しになるという課題がありました。
本サービスの導入に至った経緯や考慮されたことをお聞かせください。
(篠原さん)
web検索で複数のサービスを比較し、みまもりふくろうが最もリーズナブルな価格であると判断し、導入しました。毎日異なるさまざまな場所に出向きますので、位置情報を把握できる点も評価できました。
本サービスのウェアラブルデバイスを着用されている方の職務内容を教えてください。
(大庭さん)
お客さまの事業所における環境測定や環境分析のためのサンプリングを行います。訪問先のお客さまは、工場や事業所の屋外のことが多く、現場作業者は暑熱環境に晒されているのが実情です。
お客さまの事業所に訪問する際は、みまもりふくろうの活動量計を必ず装着しています。

【みまもりふくろう活動量計】
管理者による技術者の体調確認はどのようにされていますか。
(篠原さん)
みまもりふくろう専用のパソコンとモニターを用意し、みまもりふくろうの管理画面を常に見られるようにしていて、誰かが気付けるようにしています。加えて、管理者のパソコンでもダッシュボードを表示しています。
ダッシュボードは、熱中症リスクによって緑色→黄色→赤色とリアルタイムで変化するので、とても気づきやすいです。
“現場と事務所の距離を超えるコミュニケーション”
本サービスの評価いただける点はありますか。
(加賀さん)
遠く離れたお客さま先の現場がどれくらい暑い状況かを、社内の事務メンバーにも伝えられ、現場の状況をイメージしてもらった状態で作業を進められる点です。現場では無理をおして作業してしまうこともありますが、管理者から「休憩をとるように」と言ってもらえることで、適切に休憩がとれるようになりました。
(福井さん)
みまもりふくろうでアラートが発出されると、事務所の管理者から電話がかかってくるんです。「気にかけてくれているな」と安心して作業をすることができます。思いがけない効果としては、その電話を通して、技術者と管理者のコミュニケーションが濃密になったことでしょうか。頻繁に電話がかかってくると人気者になった気がします(笑)。
(篠原さん)
事務所にいる管理者としても、アラート発出が電話をするきっかけになり、電話で声を聞いて安心できます。社員同士のコミュニケーション促進効果もあります。
本サービス導入後、職場や現場に行かれる技術者に変化はありましたか。
(大西さん)
水分補給するタイミングが増えたのは良かった点です。今までは、休憩時間を決めて水分補給をしていましたが、現在は、みまもりふくろうでアラートが出るとすぐに水分補給するようにしています。お客さまの現場に複数の技術者がいる場合は、「水分補給しよう」とお互いに声掛けがしやすくなりました。
(加賀さん)
同じ作業をしていてもアラートが発出される人と発出されない人がいるので、人によって作業強度や暑熱順化が違うということがよくわかるようになりました。それによって作業の割り振りや分担を考慮することができるようになり、効率的に仕事を進めることができるようになりました。
(福井さん)
熱中症に対する意識は確実に変わりました。以前は、なかなか言い出せずに限界寸前まで頑張ってしまっていましたが、現在は、すぐに休憩をとる、水分を摂る、周りの同僚が声がけをする、遠く離れた事務所からもすぐに連絡するという行動に変わりました。
本サービスのおすすめの活用方法について教えてください。
(篠原さん)
来シーズンにやりたいこととして、位置情報を使って、「熱中症に特に気を付ける場所」や「アラートが多く発出される場所」などをマッピングして、対策に活かしたいと思っています。対策ができれば事前の準備ができるのではないかと考えています。

【みまもりふくろうのダッシュボード「アラート発生地域」】
本サービスについてのご意見をお聞かせください。
(羽田野さん)
スマートフォンにみまもりふくろうアプリを入れて活用していますが、スマートフォンの電池消耗が抑えられたらうれしいです。また、そのアプリで装着者の熱中症リスクが見られたら良いなと思います。
(大西さん)
脈拍以外のデータが測定できて、より精度の高いアラートが発出されると、より安全な管理ができるようになるのではないでしょうか。
(篠原さん)
これらの要望はありますが、費用対効果では満足しています。SOMPOリスクマネジメントの他のサービスとも組み合わせて、より良いサービスの提供を期待しています。
<編集後記>
事業活動が人や自然環境に与える影響を科学的に評価するという、社会的に重要な業務の一端を興味深く拝見しました。お話を伺い、「仲間を守る」というマインドが社内に根付いていることがヒシヒシと伝ってきて感動しました。
今後も、職場環境保全のため、自然環境保護のため、より一層の事業の発展を祈念しております。
2025年4月より、みまもりふくろうの新プランをリリースしましたので、こちらもご検討いただけますと幸いです!
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