企業リスク情報誌『SAFETY EYE』

No.3(1999年9月発行)製品タンパーリングと企業の危機管理

全社的リスクマネジメント

「製品タンパーリングと企業の危機管理」と題して、青酸コーラ事件のような悪意に満ちた食品への異物混入リスクと企業の対応について特集しました。このリスクは英語では”Malicious Product Tampering and Extortion”(直訳すると「悪意ある製品いたずらと脅迫」)と呼ばれています。高度情報化社会では「製品イメージでのダメージだけで、巨額な間接損害や不当利益を生む可能性があり、飲料やパンなどの食品業界に限らず、医薬品業界や寝具・医療業界、さらには鉄道・通信業界など、多くの業界がこの種の犯罪行為によって企業経営を脅かされています。
この「製品タンパーリング」に対しては、劇毒物の管理強化、早期の加害物質の分析体制、関連機関相互の連携など立法・行政機関の対策が国民・消費者保護の観点から求められています。同時に、企業自身もリスクマネジメントの観点から、製品タンパーリング抑止の製品設計や販売方法の改善や、万が一の事件発生に備えた緊急時の対応であるクライシスマネジメントが求められています。クライシスマネジメントには緊急社内チームの編成、製品リコール体制、緊急時の社外広報、企業イメージ回復措置など幅広い分野があります。 本誌ではその前段を取り上げ、食品業界における当分野の第一人者である東洋製罐株式会社の沖 慶雄 技術情報室長に、実際に生じたタンパーリングの実例と、抑止策の開発の歴史を紹介していただきました。

第1章 製品タンパーリングとは
(1)製品タンパーリング事件の推移
(2)製品タンパーリング事件の経緯
(3)提言

第2章 企業の製品タンパーリング対策の重要性
(1)タンパープルーフとエビデンスの議論
(2)日本における規制の現状

第3章 製品タンパーリングの歴史
(1)金属缶における事例
(2)ガラス瓶やプラスチックボトルにおける事例
(3)その他のタンパーエビデンス用材料

第4章 むすび

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