企業リスク情報誌『SAFETY EYE』

No.16(2004年4月発行)企業経営におけるコンプライアンス

コンプライアンス

不祥事の多発を受けて、企業の行動・価値観に対する社会的な期待・信頼に揺らぎが生じているようです。これら不祥事を含む事故や事件多発の背景の一つに「コンプライアンス」の欠如があるとも指摘されております。企業・組織がビジネスを行っていくうえで、コンプライアンス体制の構築とコンプライアンスの良き実践を通じた企業の誠実さ(Integrety)を担保する仕組み、運営、管理ということが必然となっています。
しかしながら、コンプライアンスの実践活動を始めれば、すぐに企業風土が変わるというものでもありません。コンプライアンス活動の定着には、5年から10年はかかるともいわれています。このような息の長いコンプライアンス活動を実践していくために、コンプライアンス体制を始め「コンプライアンス」というものをどのように捉えていけばよいのか等、『企業経営におけるコンプライアンス』について掘 裕法律事務所代表の堀 裕弁護士と掘 裕法律事務所の安田 和弘弁護士にご講演いただいた内容を、両弁護士のご厚意により、損保ジャパン・リスクマネジメントの文責により掲載いたしました。
本誌が、皆様の良きコンプライアンスの実践にお役に立てれば幸いです。

I. コンプライアンスのあり方について

II. コーポレート・ガバナンスの枠組みについて
1. 株主利益(投資家を含む)・企業の社会的存在としての役割
2. 商法(組織法)におけるコーポレート・ガバナンスの在り方について

III. 経営判断としての経営管理の枠組み
1. 内部管理態勢
2. 経営管理に内部管理体制を商法上の機関を踏まえて経営判断としての組織構成にいかにビルト・インするか
3. 内部管理体制の構築・態勢維持の法的責任者

IV. 経営判断とコンプライアンス
1. 経営判断はコンプライアンスを超えて存在し得ない
2. コンプライアンス体制の内容
3. 私見・あるべきコンプライアンス体制(リスクマネジメントへ)

V. 内部チェックに関する諸問題
1. 内部監査(業務監査)担当部の地位・役割 2. 内部通報制度の意義

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