企業リスク情報誌『SAFETY EYE NEO』

No.11(2015年1月発行)オリンピックでの調達とサプライチェーンにおけるサステナビリティマネジメント

エネルギー

本誌、『SAFETY EYE NEO』は、損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社が、企業におけるリスクマネジメント実践の推進に役立てていただくことを目的に、毎回、企業を取り巻くリスクに関連するテーマを特集しています。

今回は「オリンピックでの調達とサプライチェーンにおけるサステナビリティマネジメント」をテーマに取り上げました。
イベントのサステナビリティ(持続可能性)に関するマネジメントシステムの国際規格として、ISO 20121が2012年6月15日に国際標準化機構(ISO)から発行されました。2012ロンドンオリンピック・パラリンピック(以下「2012年ロンドン大会」)では、ISO 20121が適用され、計画の当初から持続可能性を基本に据え、イベントのあとに残される「遺産(レガシー)」を強く意識した、経済・環境や社会に配慮した調達が行われ、高い評価を得ました。さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が招致活動に当たって国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルにおいてもISO 20121の適用が明記されています。
オリンピック関係業者は限定的で、一般の企業にはあまり関係がないのではと思われがちですが、ISO 20121は、サステナビリティマネジメントを実現するために、サプライチェーンのあらゆる階層の組織が利用できる国際的なガイドラインとなっていることに加え、「サステナビリティ」という概念が普遍的でるため、認証を取得しようとする団体・組織以外に様々な業種・業態への影響が広範囲に及ぶという特性があります。
第1章では、当社コンサルタントの西出三輝および泉 太一郎が、サステナビリティ活動を実現させるISO 20121の実態にせまりつつ、認証を取得しようとする団体・企業はもとより供給業者(サプライヤ)として参入する企業に係るリスクやその影響について考察します。認証取得に向けたマネジメントシステムの構築方法のポイントの紹介と併せ、このマネジメントシステム規格の適合要件である「環境」、「社会」、「経済」の3側面に関連するリスクについて考慮した構成としました。
第2章では、元2012ロンドン大会組織委員会(LOCOG)のサステナビリティ プロジェクトマネージャであり、現在はBSI-group(英国規格協会)で持続可能性規格の出版マネージャを務めるアマンダ・カイリー氏より、2012年ロンドン大会においてISO 20121をいかに活用し、持続可能な大会を実現したかについて解説いただきました。この章は、大成功と評価された大会において鍵となった持続可能性チームが「何を考え、何を実行したか」を主旨としています。加えて組織委員会下部組織の考え方が、現実の大会運営と関連する企業・団体へ様々な影響が波及する状況を示しています。2012年ロンドン大会の実施プロセスは、2020年東京大会でも踏襲されるべき有益な観点が含まれており、大会運営組織はもとより大会に商品・サービスを提供しようとされる種々のサプライチェーン企業にとっても示唆に富むものと考えております。
本誌が、ISO 20121に関する情報収集、取組みに関するご検討にお役に立てれば幸いです。

1. 持続可能性マネジメントシステムの成立背景と体制構築の要点
 はじめに
 1. オリンピック開催の背景からみた持続可能性への布石
 2. オリンピック開催に伴う一般企業のリスクと機会
 3. ISO 20121の概要
 4. ISO 20121に基づいた体制構築のポイント
 おわりに
2. 2012ロンドン 持続可能なオリンピックをいかに実現したか
 はじめに(従来のオリンピックとどこが違うのか)
 1. オリンピック運営組織内の持続可能性チームの発足
 2. 2012年ロンドン・持続可能性方針(出発点)
 3. ISO 20121認証を取得するための目標・ターゲット
 4. 大会に供給する物品類の調達基準
 5. サプライヤの管理
 6. 厳格な基準で調達された商品事例
 7. 「よい遺産(レガシー)」となる有益な「ストーリー」発信
 8. 後世に残すべき遺産
 9. 成功の要因は何か
 10. 予見できなかった困難
 おわりに

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