企業リスク情報誌『SAFETY EYE』

No.23(2005年11月発行)中国における環境リスクの動向

本誌「SEFETY EYE」は、企業や団体のリスクマネジメント実践の推進に役立てていただくことを目的に、 毎回、企業を取り巻く諸リスクに関連する重要テーマを特集しています。
今回は「中国における環境リスクの動向」というテーマを取り上げました。
中国では、急激な経済発展とともに環境問題が深刻さを増してきており、2003年における環境汚染をめぐる紛争は8.5万件以上、行政処罰安件数は9.3万件、汚染物質の排出規制によって閉鎖・操業停止等となった企業は1.1万社以上にのぼっています。環境保護に関する法律も最近10年間ほどで急速に整備されてきました。
中国における環境法は、その基本となる「環境保護法」の下に地方法規及び規定類などがあり、それらを合わせると既に1000件を超えています。中国の省や市、県などの地方政府においては、国の基準より厳しい基準を設けたり、排出基準がない項目については新たな基準値や対象物質を設けたりできる、いわゆる法律の「上乗せ規制」や「横だし規制」が認められています。このような国の法律と地方の条例との不整合や、複数の機関による管理など、中国の環境法は外からはわかりにくい独特の法体系となっています。
現地の拠点数が20,000以上と推定される日系企業はじめ中国にこれから進出する日本企業にとって、このような中国の環境法を理解することは、ビジネス展開する上で必須であるばかりでなく、今後どんな法律ができるかという観点で法規の制定や運用に関する的確な情報収集も必要であります。
本誌はこのような観点から中国の主な環境関連法規名や中国独特の表現は出来るだけ避け、日本語表記に絞って紹介し、環境基準についても一部紹介しています。
本誌が中国の環境法体系と環境リスクの動向を理解する一助となれば幸いです。

中国における環境リスクの動向
1 .中国の環境行政組織
2. 中国の環境法の概要
3. 中国の環境保護に関する政策・法規制の実施状況
4. 事業実施にあたっての環境制度・許認可
5. 環境単行法の解説
  1. 水質汚濁対策
  2. 大気汚染対策
  3. 固体廃棄物対策
  4. 騒音管理
6. その他環境管理法の解説
  1. 土壌汚染対策
7. 中国環境紛争リスク
  1. 環境紛争の概況
  2. 環境汚染の被害に係わる訴訟の事例
  3. 日系企業の環境対策

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