企業リスク情報誌『SAFETY EYE』

No.39(2009年10月発行)物流セキュリティと企業に求められる対応

製品・施設

本誌「SAFETY EYE」では、損保ジャパン・リスクマネジメントが、企業のリスクマネジメント実践の推進に役立てていただくことを目的に、毎回、企業を取り巻くリスクに関連するテーマを特集しています。
今回は「物流セキュリティと企業に求められる対応」をテーマに取り上げました。
近年、物流の複雑化・グローバル化に伴い、サプライチェーン上の貨物を管理する施設において、セキュリティ向上の必要性が高まっています。
日本の製造工場が多く進出している中国や東南アジア諸国においては、貨物の盗難や強奪、異物混入等のリスクが比較的高く、一方、日本国内では、とくに食品や医薬品の盗難や不正操作の増大が懸念されています。しかしながら、多くの物流施設では、アクセス管理や監視カメラによる侵入防止対策、さらには従業員への教育や保安手順の文書化などのハード・ソフト面のセキュリティ対策が十分とは言えず、セキュリティの対応が遅れているのが現状です。
第1章では、「安全なサプライチェーンを目指して−AEO制度と事業者の認定−」というテーマで、東京税関業務部の認定事業者管理官である南里修治氏より解説いただきました。2005年に世界税関機構(WCO)による「AEOガイドライン」の採択を受け、日本のAEO制度の概要、セキュリティの目的と考え方、諸外国のAEOプログラムとの相互承認などについてご説明いただいております。
第2章では、TAPAアジア日本支部代表の浅生成彦氏より、「TAPA認証制度とサプライチェーンセキュリティ」をテーマに解説いただきました。世界共通のセキュリティ評価基準であるTAPA基準の要求事項と認証取得のメリット・効果、ならびに、欧州視察結果を踏まえたTAPA認証施設における具体的セキュリティ対策事例などを多角的にご説明いただいております。
第3章では、具体的なリスクソリューションである当社の「物流セキュリティ簡易診断サービス」について、当社主任コンサルタントの柳澤芳太郎からご紹介させていただいています。効率的で実効性のある当社独自のセキュリティ基準を活用し、対象施設やサービスの手順、具体的な対策の提案例などを整理しました。

第1章 安全なサプライチェーンを目指して
1. 日本のAEO制度
2. AEOプログラムにおけるセキュリティ対策の目的
3. AEOプログラムにおけるセキュリティ対策
4. 諸外国のAEOプログラムとの相互承認
5. AEOとして認定を受けるために
6. まとめ
第2章 TAPA認証制度とサプライチェーンセキュリティ
1. 世界共通の新・物流セキュリティ基準
2. TAPAとは
3. TAPA-FSR認証制度
4. TAPA関連欧州視察
5. 食品の安全を守る「フードディフェンス」
6. セキュリティ計画の必要性
7. TAPA日本支部からの提案
8. まとめ
第3章 物流セキュリティソリューション
1. 診断サービスの開発にあたり
2. 物流セキュリティ簡易診断サービス
3. まとめ

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