企業リスク情報誌『SAFETY EYE NEO』

No.4(2012年3月発行)環境アセスメントによる生物多様性の保全

ESG/CSR/環境

本誌、「SAFETY EYE NEO」は、NKSJリスクマネジメントが、企業におけるリスクマネジメント実践の推進に役立てていただくことを目的に、毎回、企業を取り巻くリスクに関連するテーマを特集しています。
今回は「環境アセスメントによる生物多様性の保全」というテーマを取り上げました。

私たち人間の豊かな暮らしは、生物多様性がもたらす水、食料や木材、医薬品などの供給、作物の受粉や病害虫の制御などの生態系サービスに大きく依存しています。そこからもたらされる生物資源は、上手に使えばいつまでも再生し、また使い続けることが可能です。これらの恵みを今後も享受し続けるためには、企業、国・地方公共団体、消費者等による生物多様性の取り組みが求められます。
2010年10月、名古屋市で開催されたCOP10に参加した国々において生物多様性の新たな世界目標が合意されました。その中にある個別目標では「2020年までには、森林を含む自然生息地の損失の速度が少なくとも半減、または可能な場合はゼロに近づき、また、それらの生息地の劣化と分断が顕著に減少する」ことなどが合意されました。
これらの目標を達成するためには、環境アセスメントの実施が重要となっています。特に企業へ積極的な取り組みが求められることとなりました。
本誌では、当社・顧問 斉藤照夫が生物多様性についての状況、環境アセスメントに関して取組事例を紹介しながら、生物多様性に必要な環境保全措置(ミティゲーション)の視点や地元住民との意見交換・合意形成の流れについて説明するとともに、これらを踏まえた企業の生物多様性保全の取り組みについて説明します。
本誌が各企業の、生物多様性への取り組みに関する情報収集、また環境アセスメントに対するリスクの考え方について役立てれば幸いです。

1. 生物多様性の保全と環境アセスメント
 1. 生物多様性の状況
 2. 環境アセスメントと生物多様性
2. 環境アセスメント制度
 1. 環境アセスメント制度の概要
 2. 環境アセスメントの評価
 3. 戦略的環境アセスメント
3. 生物多様性とミティゲーション
 1. 概要
 2. 米国におけるミティゲーションの動向
 3. 企業における生物多様性保全の取り組み
4. おわりに

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