化学品の日米PLヒストリー――新人教育用(130219)

日本と米国の「化学品のPL問題」については、このPL情報においても、下記に示すように取り上げてきましたが、今回は、「化学品の日米PLヒストリー」と題して、米国と日本の化学品のPL問題の歴史をさかのぼり、化学品や、バルクと呼ばれる原材料・中間体のPLリスクについて改めて整理してみました。主な内容は次の通りです(順不同)。

(1)日米のPLの歴史と動向
(2)訴訟大国『米国』を生み出す要因
(3)化学品のPL訴訟で適用される法理と抗弁
(4)化学品の流通フローにおける被害対象とPL訴訟例

日本に"Product Liability"という言葉が初めて紹介されたのは1970年代の初頭でした。その後、社会学者エズラ・ヴォーゲルによる1979年の著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン(Japan as Number One)』がベストセラーとなる1980年代初頭から、自動車、家電、産業機械といった業界の日本企業における団塊世代の社員は、米国への製品輸出を通じて「米国のPL事情」を身にしみて学びました。「来週、また米国のPL裁判でデポ(証言録取、deposition)に行ってきます」といった会話がよく交わされたものです。しかし、米国のPLを肌で感じた団塊世代は定年を迎え、会社を去っていきました。今では多くの企業が、新人教育の講師どころか、PL教材のテキストにも困る状況になっています。そこで、今回は団塊世代の生き残りが「化学品の新人教育教材」を作成しました。本資料を、化学品以外の他の業界でもご活用いただければ幸いです。

*キーワード:製造物責任、PL、判例、化学品、化学物質
*地域:日本、米国