品質不正の原因とその防止策――想定ケースと調査報告書の分析から考える(250630)
品質不正の問題は、2000年代以降、様々なメーカーで繰り返し発生し、そのたびに厳しい視線を集めてきました。不正の内容や規模に差はあっても、「なぜこれほどまでに品質不正が続くのか」という問いは今もなお消えることがありません。
品質不正は、一部の悪意ある個人の問題ではなく、組織文化や仕組み、制度上の盲点といった複合的な要因が重なって生じる場合が多いと言えます。そして、その発覚が企業にもたらす影響は大きく、法的責任、経済的損失、社会的イメージの低下、従業員のモチベーションの喪失など、極めて深刻な結果を招くことになります。
PL・リコールクラブでは、これまで「品質不正」というテーマを扱ってきませんでした。本稿では、参考文献や第三者委員会調査報告書(以下 調査報告書)に基づいた調査結果をもとに全体を構成しています。第Ⅱ章では、架空の3つの想定ケースから実務上の注意点を明らかにし、以降の章では、調査報告書で指摘されてきた不正の背景や要因、再発防止策について紹介します。
本稿は、品質不正のリスクに直面する現場の担当者から、管理職・経営層に至るまで、幅広い立場の方々に向けて、品質不正の背景や再発防止の視点を整理し、実践に活かせるヒントをご紹介するものです。本資料が、貴社のリスクマネジメントにお役に立てば幸いです。
* キーワード:品質不正、品質意識、コンプライアンス、組織文化、調査報告書
* 地域:日本