リチウムイオンバッテリーの発熱・出火によるPLリスク(190228)

ノートパソコンやスマートフォンの広がりに伴い、リチウムイオンバッテリーは、小型化、大容量化の技術が発達し、現在では、IoT技術の進歩とともに、これまでは電気配線とは無縁であった製品にも組み込まれるようになりました。これから迎えるIoT社会にとって欠かせない存在であるといえます。

一方で、サムスン社のスマートフォンである「ギャラクシー7」の発煙・発火による全世界での大規模リコールなどが有名ですが、リチウムイオンバッテリーについては、爆発や火災、火傷のリスクが高いことが知られており、またそれに関連したリコールやPL問題に発展する可能性も秘めているのが実態です。実際、当部門でもリチウムイオンバッテリーに関連する事故に関する業務や、それを使用した製品に関するPLレビュー業務も近年は多いように感じます。

リチウムイオンバッテリーの安全性についても、バッテリーマネジメントシステム(BMS、その他セーフティユニットなどと呼ばれることもある)や、電解液のゲル化などによって向上が図られていますが、まだまだ課題があるというのが現状です。BMSがあっても衝撃を受けてバッテリーセルが変形すれば、端子間の短絡が発生し発熱し、電解ゲルに熱が加わり、分解し膨張、爆発に至る可能性もあります。こうした背景から全固体電池のような、電解ゲルも使用しないバッテリーが開発されています。

リチウムイオンバッテリーのリスクは周知の部分はありますが、本項では、リチウムイオンバッテリーのリスクについて改めて把握することを目的とし、リチウムイオンバッテリーに関する製品事故や訴訟事例を紹介していきます。

本資料が貴社のPL対策やリスクマネジメントに、少しでもお役に立ちましたら幸いです。

*キーワード:リチウムイオンバッテリー、PL、製造物責任、製品安全、火災、火傷
*地域:日本、国内、海外