PLの観点から見た介護ベッドの事故――弱者や緊急時に使用する製品の安全設計(160615)

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に通知された製品事故情報によると、介護ベッドや介護ベッド用手すりなど「介護用品」にかかわる事故は、平成20年度から24年度までの5年間に111件が発生し、そのために27人が亡くなり、40人が重傷を負っています。

そこで今回は、介護ベッドに焦点をあて、その事故例やPL判例を紹介すると共に、製品のユーザー特に高齢者、認知症の人、幼児・子供などの社会的弱者がユーザーの場合を検討してみます。更に火災時などのパニック時に使用する製品や、次のような非常時・緊急時の米国の賠償責任法理についても紹介します。

・突然の医療上の緊急事態(Sudden Medical Emergency)の教義
・不可抗力(An Act of God)の教義
・緊急時の教義(Emergency Doctrine、Sudden Emergency Doctrine)
・よきサマリア人の教義(Good Samaritan Doctrine)

火災現場では、引けば開く非常扉を一生懸命押して開けようとしながら、命絶えてしまうといった痛ましい事故が日本で起きています。米国では非常口は全て外側に開きます。それは人間工学的な配慮からです。一般製品においてもそのような人間工学的な配慮がPL対策として求められる時代となっていますが、日本のユーザーは平均レベルが高いのか?裁判所がメーカーに甘いのか?国内向け製品ではまだまだ配慮不足が散見されます。
本資料が今後の貴社のリスクマネジメント、PLディフェンスに少しでもお役に立てば幸いです。

*キーワード:PL、製造物責任、介護ベッド、介護用品、誤使用、高齢者、認知症、緊急時、非常時、Emergency Doctrine、Peril Doctrine
*地域:日本、米国