洗濯機の誤使用とメーカーの予見義務――洗濯機による指切り事故と閉じ込められ事故(180328)

2018年1月に大阪で全自動洗濯機に5才の幼児が閉じ込められ窒息死しました。この事故はいろいろな意味で世間の注目を浴びました。「こんな事故が起きるのか!」と、ニュースで取り上げられたこと。「メーカーの責任」を口にした母親が世間からバッシングを受けたこと。消費者庁や国民生活センターが相次いで、マスコミに消費者への注意喚起や安全対策を発表したことなどです。

日本の米国への製品輸出がさかんに行われた1980年代に、米国のPL訴訟に巻き込まれ、米国のPL問題について身を持って体感した団塊世代が退職し、彼らから直に米国のPLについて聞かされることもなくなり、またPL法が制定され23年になろうとしているのに身近なPL裁判例も耳にしない現代の若者にとって、PL問題は遠い存在になろうとしています。しかし、グローバルなビジネス展開がますます必要な今日、製品の開発・製造のエンジニアにとって、PLへの理解の不足は、ある日、重大なビジネス・クライシスとして勤務先企業を巻き込む恐れがあります。

そこで本資料では、洗濯機の誤使用に注目し、誤使用事故とされている「洗濯機による指切り事故」と「洗濯機への閉じ込められ事故」の2つを取り上げます。そして、「製品の誤使用」、「メーカーの予見義務」について、日頃PL問題に接することの乏しい若い製品の開発・製造エンジニア向けの入門書として解説します。本資料が貴社のリスクマネジメントにお役に立てば幸いです。

*キーワード:洗濯機のPL事例、閉じ込められ事故、指切り事故、誤使用とPL、メーカーの予見義務、製造当時の技術水準、代替設計、プロダクト ライアビリティ、製造物責任
*地域:米国、日本、中国、インド、韓国、英国、トルコ、カナダ