アメリカ最新PL訴訟統計(090904)

今年も、世界で最もPL追及が厳しい米国のPL訴訟統計をお届けします。米国では、2008年に大統領選挙が行われ、共和党のブッシュ政権から民主党のバラク・オバマ政権へと移行しました。オバマ新大統領は、「前のブッシュ政権が行ってきた企業保護政策を見直す」と表明しています。前のブッシュ政権では、企業の「50州の異なる各州の不法行為法に基き、消費者から企業が提訴されては困る。関連する連邦法だけ遵守すれば企業は賠償責任追及から開放されるようにして欲しい」との要請を受け、連邦の各部局に『連邦法の優先(pre-emption)』を定める規則を制定するよう指示しました。しかし、新たに誕生したオバマ政権は、「連邦政府の各部局は、連邦法の優先を定めた過去10年間の規則を見直し、真に法的根拠が確立しているケースを除き、慎重に吟味せよ」と指示しており、今後のPL訴訟にも影響を与えそうです。

本号では米国の100万ドルPL訴訟の統計や懲罰的賠償金の訴訟統計を集めている民間企業から、日本語版の転載許可を取り、会員企業の皆様にお届けします。また、懲罰的賠償金と通常賠償金の割合に関して、連邦最高裁の代表的判決だけでなく、注目されている最新の判決を含め簡潔にまとめて紹介しています。本資料が会員企業の皆様にお役に立てば幸いです。